新車一括見積りシステムは、消費者が一度に複数のディーラーから見積を取り寄せること(相見積もり)を可能とするウェブサイト上の機能です。消費者はベストの価格を望みますから、その選択肢があるなら、相見積もりを行ってみたいと考えるのは当然です。では、なぜ急速に普及しつつあるこの機能への理解が自動車メーカーにとって重要なのでしょうか?それは、消費者がサード・パーティーのサイトでオンライン・ショッピングを行えば行うほど、自動車メーカーが成約率を向上させる確固たる機会を得る事が実証されているからであり、更に重要なポイントとして、販売コストを低減することも出来るからなのです。
現状の詳細
現在では殆どの自動車メーカーが一社あるいは複数のリード提供サード・パーティーと組んで新車一括見積りシステムを運用していますが、その歴史はまだ浅いものです。また、自動車メーカーは、自社のサイトにおいては一部のメーカーを除き未だこのシステムを提供していません。自動車購入の際、複数のディーラーに対してリードを送信する消費者が増加しており、これは彼らにとって、「比較対象」を持つ事がいかに重要であるかを示しています。同時に重要なことは、その見込み顧客が他のディーラーに対してもリードを送信していると分かった場合、ディーラーはリードに対するレスポンスを良くし、より一層の自社の差別化を図らざるを得なくなる、という点です。そこで問題なのは、この「新車一括見積りシステム」を自動車メーカーのウェブサイトにおいても提供すべきかどうかということになります。
消費者が複数のリードを送信した場合、その成約率が向上する事が実証されています。リードの種類を以下の四つのパターンに分類した場合の成約率調査結果が出ています:
- 単一リード、単一ディーラー: 過去90日以内に単一のディーラーにのみ送信されたリード。リード・ソースは問わない
- 複数リード、単一見積りシステム: 過去90日以内に、単一見積りシステムから送信された複数のリード。新車一括見積りシステムを利用したリード送信が行われていない消費者のものに限る
- 複数リード、単一及び一括見積りシステム: 過去90日以内に単一ディーラー及び新車一括見積りシステムから送信された複数のリード
- 複数リード、一括見積りシステム: 過去90日以内に新車一括見積りシステムから送信された複数のリード。単一見積りシステムを利用したリード送信が行われていない消費者のものに限る
成約率は複数のディーラーに対してリードが送信された場合に上昇しています。サード・パーティーのサイトでは、一般的に同時に5つのディーラーに対して見積りを請求出来る仕様になっていますが、消費者は通常二つか三つのディーラーに絞ってリードを送信しています。以下の事例では37%の消費者が複数のディーラーにリードを送信しており、そのほぼ全てが新車一括見積りシステムを利用しています(グラフ内オレンジと青のバー)。
成約率で見る限り、複数のディーラーに送信されたリードの成約率が高まっていますが、システムの導入検討の鍵となるポイントは販売コストになります。
リード一件の取得に対して$20必要だとします:
単一のディーラーにのみ送信された100件の有効なリードは、重複が無いためそのまま100件のリードとなります。前掲のグラフにおける、「単一リード、単一ディーラー」の成約率6%を使用して計算すると、成約一件あたりの販売コストは$333となります。
販売コスト = ($20×100件) / (100件×6%) = $333
次に、新車一括見積りシステムを利用して同時に二つのディーラーにリードが送信されたとします。この場合、もたらされるリードの合計は200件ですが、重複があるために実質的には100件となります。前掲グラフにおける「複数リード、一括見積りシステム:リードが送信されたディーラー数 = 2」の成約率17%を使用して計算すると、成約一件あたりの販売コストは$235となります。
販売コスト = ($20×200件) / (100件×17%) = $235
すなわち、増えたリード取得のために$2,000の追加費用が発生しても、成約率の高さとそれにより実現される販売コストの低減は、新車一括見積りシステムを魅力的な機能としているといえるでしょう。各数値を算出するためのデータは時間の経過により変化しますし、全ての自動車メーカーに対して一様に適用可能なものではありません。従って重要な事は、新車一括見積りシステムが販売コストと販売量に対してどのようなインパクトを与えるかを測定する際の基本として、このような分析がなされるべきであるということです。
正しい理解
様々なリード・ソースに基づく新車一括見積りシステムが与える影響を測定することが大切です。全てのリードが同じように生成されている分けではなく、消費者が選択可能なディーラー数の正しいバランスを全てのソースに渡って見極めることが成約率と販売コストの最適化に繋がるでしょう。
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